植物を眺めるとどんな健康効果があるの?/植物のすごいちから⑨
植物を眺めると健康効果があるって?
◆ 眼精疲労や肩こりを減らす
VDT症候群はコンピュータのディスプレイなど表示機器(総称して Visual Display Terminalと呼ばれる)を使用した作業(VDT作業ともいう)を長時間続けることで、目や体、心に生じる症状である。
ドライアイ、充血、眼精疲労、首・腰・肩のこり、だるさ、痛み、手指のしびれ、食欲減退、イライラ、不安、抑うつなどの症状がある。こうした症状は、ディスプレイ周辺の作業者の視界に植物を置いて眺めることで軽減される。
◆ 軽い運動は体をほぐして気分を変える
植物を育てるガーデニングは、人に多様な運動の機会をもたらす。
ガーデニング作業の多くは、低強度(1~3METs未満)から中強度(3~6METs未満)にあたる。
日常的に行えるかん水、観葉植物の葉を拭く作業、花がら・枯葉を取り除く作業などは、低強度の運動に該当し、大きな負荷にはならない。
同じ動作を繰り返す作業は身体の緊張をほぐし、よい気分転換になる。
◆ 植物にあって空気清浄機にないCO2浄化機能
植物が光合成を行う時、CO2を吸収する。この光合成に必要な明るさは植物によって異なる。
明るい部屋でも暗めの部屋でもよく吸収するのは、アレカヤシやベンジャミナ、マランタ、シンゴニウム、ポトス、ディフェンバキア。明るい部屋で吸収がよいのはアンスリウム。暗めの部屋では、チャメドレアヤシ、ホヤだ。
明るい部屋とは700lux、暗めの部屋とは300luxが目安。
O3の吸収
コピー、レーザープリントなどのオフィス機器はごく微量のO3が発生する。0.01~0.02ppm程度であれば健康への害はないが、0.1ppmを超えると鼻やのどに刺激を感じる。O3の吸収にすぐれるポトスやスパティフィラムはオフィス機器の周辺に置きたい。
◆ 揮発性有機化合物の吸収効率よい植物
揮発性有機化合物(VOC)とは常温常圧で大気中に揮発するトルエン、ベンゼン、フロン類、ホルムアルデヒドなどで、塗料、印刷インク、接着剤、洗浄剤などに含まれシックハウス症候群(目がチカチカする、鼻水、頭痛、吐き気など)の原因となる。
実際にVOCの吸収は、植物と植物が植えられている鉢土から行われる。
除去効果が高いものにヘデラ、トラデスカンチア、ベンジャミナ、サンセベリア、グズマニアなどがある。特にホルムアルデヒドの除去にはタマシダ、ポットマム、フェニックスヤシが有効。
前の記事へ
次の記事へ